旗竿地にカーポートを設置したい! トラブルを防ぐ条件と費用相場
旗竿地とは、道路に接する部分が細長くなっている、旗竿のような形をした土地を意味します。
旗竿地は駐車場として利用されることも多いため、カーポートを設置することで利便性を高めることが可能です。
ただし、旗竿地にカーポートをつけると近隣とのトラブルになることも多いため、注意しなければなりません。
そこでこの記事では、旗竿地にカーポートを設置する際のトラブルを防ぐ主な条件について解説します。
さらに、旗竿地におすすめのカーポートのタイプとそれぞれの費用相場も紹介するので、参考にしてください。
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旗竿地にカーポートを設置する際のトラブルを防ぐ条件
旗竿地にカーポートを設置する際のトラブルを防ぐ主な条件は、次の4つです。
- 幅3m以上を確保できる
- 隣家の日当たりを遮らない
- 隣家に水や雪が落ちない
- 騒音対策をする
これらの条件を押さえておけば、近隣とのトラブルが発生することを抑え、快適なカーポートライフを送れます。
それぞれの条件について解説します。
1.幅3m以上を確保できる
建築基準法では、旗竿地の道路に面した部分は最低でも2mの必要があると定められています(第43条1項)。
しかし、横幅2mの旗竿地に駐車場を作った場合、車体の幅にもよりますが、車の出し入れや乗り降りが大変になります。
旗竿地にカーポートを設置して駐車場にするなら、道路に面した部分は横幅は下記を目安に確保しておくとよいでしょう。
◼︎ 旗竿地にカーポートを設置する場合に確保したい幅
幅(m) | |
---|---|
できれば確保しておきたい幅 | 3 |
最低でも確保しておきたい幅 | 2.5 |
2.隣家の日当たりを遮らない
旗竿地の細長い部分は隣家と接しているため、カーポートを設置することによって隣家の日当たりが悪くなってしまう可能性があります。
日当たりの良さを重視して土地家屋を購入する人もいるため、カーポートが隣家の日当たりを遮ることになればトラブルになりかねません。
対策として、カーポートに採光性のあるクリアマット系の屋根材を使い、できるだけ採光を遮らないように配慮しましょう。
3.隣家に水や雪が落ちない
旗竿地にカーポートを設置する場合は、隣家との境界線ギリギリに設置することになります。
そのため、雨や雪が多いエリアでは、カーポートの屋根をつたって隣家の敷地に雨水が流れ込んだり、雪が落下したりして、苦情になる場合があります。
カーポートを設置する前に、隣家の迷惑にならない位置に設置できるかどうかを確認しましょう。
4.騒音対策をする
隣家から「カーポートの屋根にあたる雨音がうるさい」と言われることもあります。
この場合、カーポートの屋根に傾斜をつけたり防音シートを貼ったりすると改善できる可能性があるので、検討してみてください。
また、旗竿地を駐車場にすると、カーポートの有無にかかわらず、エンジン音やドアを閉める音などが隣家に響くことがあります。
それを意識し、深夜に帰宅したときなどはなるべく静かにドアを閉めるなど、隣家に配慮しましょう。
旗竿地に適しているのはどのタイプ?3タイプの特徴と費用を解説
旗竿地におすすめのカーポートのタイプは以下の3つです。
- 後方支持タイプ(本体価格30万円~50万円)
- 縦連棟タイプ(本体価格20万円~40万円)
- 両支持タイプ(本体価格20万円~)
いずれのタイプも、施工費用は5万円~10万円が相場です。
ただし、カーポート設置場所にコンクリートを打設する場合、1台分のスペースにつき30万円ほど加算されます。
それぞれの特徴について以下で解説するので、敷地や条件に合ったものを選んでください。
後方支持タイプ
後方支持タイプは、後方の柱2本でカーポートの屋根を支えるタイプです。
柱が少ない分、横幅が狭くならず、駐車している時でも人が横を通れるスペースを確保できるため、旗竿地など幅が狭い場所に向いています。
似たタイプに、柱の位置をサイド・後方から選べる片側支持タイプもあります。
本体価格:30万円~50万円
工事費用込み価格:35万円~60万円
◼︎ 後方支持タイプのカーポートのメリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
前側に柱がないため狭い場所でも設置できる | 基礎部分を広く取れない場所には設置できない |
前側に柱がないため車の出し入れが楽 | 本体価格が他のタイプより高い |
前側に柱がないため車いすやベビーカーを車の真横につけられる | オプションが少ない |
前デザイン性が高くおしゃれな外観 | 豪雪地域には向かない(最大耐雪性能20~30cm) |
縦連棟タイプ
縦連棟タイプは、縦に2台駐車できる長いカーポートです。
車2台分で12mほどの長さを屋根で覆うことができるため、雨の日も車から玄関の近くまで、傘をささなくても濡れずに歩けるメリットがあります。
ただし、屋根面積が多い分、強風の影響を受けやすいという弱点もあります。
そのため、風が強い日が多いエリアでは着脱式にすることが望ましいですが、別途費用がかかります。
本体価格:20万円~40万円
工事費込み価格:25万円~50万円
◼︎ 縦連棟タイプのカーポートのメリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
旗竿地に縦に2台駐車できる | 屋根面積が多い分、強風の影響を受けやすい |
屋根が長いため、車から玄関近くまで濡れずに移動できる |
両支持タイプ
両支持タイプは、両側4本の柱で屋根を支えるカーポートです。
後方支持タイプより強度が高いため、雪や風によるカーポートの倒壊を防止できます。
そのため、両支持タイプは豪雪地域や風の強い地域でよく利用されています。
ただし、柱を四隅に設置する分、カーポート設置場所の面積を多く占めることになり、通路部分が狭くなる点が両支持タイプのデメリットです。
本体価格:20万円~
工事費込み価格:25万円~30万円
◼︎ 両支持タイプのカーポートのメリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
4本の柱で支えるため強度が高く倒壊リスクを回避できる | 柱がある分、設置場所が狭くなる |
旗竿地に適しているカーポート7選
ここからは、旗竿地におすすめのカーポートを紹介します。
最初にカーポートのタイプを一覧で紹介するので、気になるタイプから探してみてください。
◼︎ 旗竿地におすすめのカーポートとタイプ一覧
商品名 | カーポートのタイプ |
---|---|
四国化成|スマートポートR | 後方・片側支持タイプ、縦連棟タイプ |
LIXIL|フーゴF | 後方・片側支持タイプ |
YKKAP|エフルージュ FIRST | 後方・片側支持タイプ、両支持タイプ |
三協アルミ|G1-R | 後方・片側支持タイプ、両支持タイプ |
LIXIL |ネスカR (ラウンドスタイル) 縦連棟 | 後方・片側支持タイプ、縦連棟タイプ |
LIXIL | アーキフラン | 後方・片側支持タイプ |
三協アルミ | ダブルフェース | 後方・片側支持タイプ、連結タイプ |
四国化成|スマートポートR
台 数:ミニタイプ(バイク・自転車用)/1台用/2台用/3台用
耐雪性能:20cm
耐風性能:41m/秒
四国化成のスマートポートRは、敷地やニーズによってフレキシブルに対応できるのが特徴です。
大きさも自転車・バイク用のミニタイプから車両用まであり、連結オプションで1台用から3台用まで対応できます。
また、段違いや奥行き違いなどさまざまな敷地形状に対応するバリエーションも豊富です。
LIXIL|フーゴF
台 数:ミニタイプ(自転車・バイク用)/1台用/2台用/3台用
耐雪性能:50cm
耐風性能:42m/秒
LIXILのフーゴFは、デザイン性と強度を両立したカーポートです。
耐雪性能が50cm、耐風性能が42m/秒あるので、雪が多いエリアや風が強いエリアにも対応してます。
カラーや屋根のデザインバリエーションも豊富にあり、敷地形状や駐車台数に合わせてフレキシブルな設置が可能です。
YKKAP|エフルージュ FIRST
台 数:1台用/2台用/3台用
耐雪性能:20cm~50cm
耐風性能:38m~42m/秒
YKKAPのエフルージュFIRSTは、片側支持タイプでありながら高い耐雪性能・耐風性能を備えています。
特許取得済の新工法「シーリングレスキャップ」により、施工時間を短縮できる点もメリットです。
オプションで宅配ポストや機能柱、雨水タンクなども付けられます。
三協アルミ|G1-R
台 数:1台用/2台用/3台用
耐雪性能:50cm~200cm
耐風性能:46m/秒
三協アルミのG1-Rは、耐雪性能・耐風性能の高さが特徴です。
耐雪性能は50cm・100cm・150cm・200cmから選べます。
耐風性能はいずれも46m/秒です。
カラーバリエーションは6種類を展開しており、モダンな印象を与えるツートンカラーもあります。
LIXIL|ネスカR (ラウンドスタイル) 縦連棟
台 数:2台用/3台用
耐雪性能:20cm
耐風性能:38m/秒
LIXILのネスカR (ラウンドスタイル) 縦連棟は、規格幅2.4m~3m弱、規格奥行き10m弱~11m強、屋根高2.2m~2.8mと、幅広いサイズに対応しています。
カラーバリエーションはブラック・シルバー・ホワイト系の5色を展開しているので、自宅に合った色を選べます。
LIXIL | アーキフラン
台 数:1台用/2台用
耐雪性能:20cm
耐風性能:38m/秒
LIXILのアーキフランは、前方が180度オープンの片側支持タイプのカーポートです。
スペースに余裕があるので、車の出し入れや乗り降りもスムーズにできます。
また、屋根材には紫外線をほぼ100%カットできるポリカーボネート板や熱線吸収ポリカーボネート板を選択できるので、愛車を色あせや日焼けから保護する他、UVカットの屋根付き庭としても活用が可能です。
三協アルミ | ダブルフェース
台 数:1台用/2台用/3台以上(最大7台)
耐雪性能:20cm
耐風性能:38m/秒
三協アルミのダブルフェースは、ニーズに合わせて側面支持タイプと後方支持タイプを選択できます。
屋根にアームを配置しているので強度も安心。
連結タイプもあり、最大7台に対応できるため、店舗などの駐車場にも向いています。
また、屋根にブラックポリカーボネート板を使用することにより、遮熱効果とデザイン性や高級感を得られます。
旗竿地に設置するカーポートについてよくある質問
旗竿地のアプローチにDIYで駐車場をつくれますか?
旗竿地の駐車場全体をDIYすることはおすすめできません。
旗竿地のアプローチにDIYでレンガや植栽を配置して、自分好みに装飾している人もいます。
ただし、旗竿地を駐車場として使うとなれば、それなりの強度や耐久性が必要です。
車の重量に耐えるだけの厚さでコンクリートをきれいに敷かなければならず、DIYで作業するのは難しいでしょう。
花壇など部分的なDIYをする分には問題ありませんが、旗竿地の駐車場全体をDIYすることはおすすめできません。
旗竿地のアプローチに屋根がほしいのですが、カーポート以外の選択肢はありますか?
旗竿地のアプローチに屋根をつけるという意味では、パーゴラも活用できます。
パーゴラとはイタリア語の「ぶどう棚」が語源のエクステリア用語で、屋根部分が格子状になった棚です。
テラスなどに設置することが多いですが、旗竿地にも設置できます。
パーゴラの屋根は一般的に植物のつるなどを絡めるために開いていますが、屋根材付きやシェード付きの商品もあるので、駐車場の雨よけ・日よけとしての利用も可能です。
旗竿地のカーポートは隣家とトラブルにならないものを選ぼう
旗竿地にカーポートを設置するとアプローチを機能的に活用できるため、とても便利です。
特に、「雨の日に車から玄関近くまで濡れずに移動できる」「愛車を雨や雪、日差しから保護できる」といったメリットもカーポートにはあります。
しかし、隣家への迷惑を配慮せずに設置すると後からトラブルになることがあるため、注意が必要です。
トラブルの原因を知り、対策をしっかりとしたうえで、自宅の旗竿地に合うカーポートを作りましょう。