土間コンクリートの失敗例3つと対処法 予防する方法も解説
外構・エクステリアパートナーズの調査によると、およそ2人に1人は外構工事に失敗したと感じています。
そのうちの半数近くが、駐車場関係の施工に失敗したと考えています。
駐車場の土間コンクリートは依頼が多い外構工事のひとつです。
この記事では、土間コンクリートの施工を検討している方に向けて、代表的な失敗例とその原因や対処法を紹介します。
効果的な予防策もお伝えしますので、施工前にポイントを押さえておきましょう。
また、費用を抑えるため、土間コンクリートのDIYを検討している方がいるかもしれません。
しかし、DIYに失敗した場合、撤去費用が十数万円かかってしまいます。
駐車場の土間コンクリートは生活の利便性に直結するため、プロに頼むのがおすすめです。
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土間コンクリートのよくある失敗例① クラック(ひび割れ)
土間コンクリートでよくある失敗のひとつとして、ひび割れが挙げられます。
代表的ともいえる失敗例で、コンクリート表面に数本、もしくは細かく無数のクラックができてしまいます。
主に見た目の問題で、駐車場としての機能に問題はありません。
ただし、構造上の問題による大きなひび割れは、すぐに対処する必要があります。
【原因】乾燥時の収縮
小さなひび割れの原因は、乾燥による収縮です。
コンクリートには固まる際に収縮する性質があるため、コンクリートの強度以上の力で引っ張られることでクラックが発生してしまいます。
季節によっては表面の乾燥が早まってひび割れしやすくなるため、施工時期にも注意が必要です。
また、地盤沈下によってひび割れが発生するケースもあります。
土間コンクリートの一部分が下がると、その部分が引っ張られてひび割れとなります。
【対処方法】割れた部分に補修材を塗って修復
土間コンクリートに入ったクラックは、小さいものなら補修材で修復可能です。
クラックに添って補修材を塗ったり流し込んだりするだけで、簡単に目立たなくなります。
補修材はホームセンターなどで購入できます。
通販でも1,000円以下で購入できますので、クラックが気になる場合は試してみてください。
ただし、深い亀裂は大きな問題に発展する可能性があるため、自分で修復しようとせず、プロに相談することをおすすめします。
【予防法】ひび割れを防ぐには目地を入れるのが効果的
土間コンクリートのひび割れ予防には、伸縮目地を入れるのが効果的です。
コンクリートには弾力がないため、収縮して引っ張られるとクラックが発生します。
ところが、伸縮目地を入れておくと、弾力性のある目地が収縮で発生した力を吸収してくれます。
そのほか、コンクリートの下にワイヤーメッシュを入れるのも有効です。
ワイヤーメッシュは網状の鉄筋で、コンクリート内に入れることで強度を高めてクラックを防ぎます。
また、地盤沈下によるひび割れの予防には、砕石転圧をしっかりと行うことが重要です。
敷き詰めた砕石にしっかりと力を加えて密度を高め、基礎部分の強度を均一化します。
土台がしっかりしていれば、コンクリートの沈下を防げます。
土間コンクリートのよくある失敗例 ②水たまり
駐車場にできる水たまりも、土間コンクリートの失敗例の一つです。
水たまりがあると車の乗降時に服や靴が汚れてしまって嫌ですよね。
水たまりの場所によっては、駐車の度に水が飛んで車や周囲に被害が及びます。
本来は、土間コンクリートに水たまりはできません。
水たまりができていれば、何らかの対処が必要です。
【原因】水勾配が不十分
土間コンクリートにできる水たまりの原因は、水勾配が十分ではないことが考えられます。
通常、駐車場を土間コンクリートやアスファルトで舗装する場合、水はけをよくするために2〜3%程度の勾配をつけます。
水勾配があることで、雨が降ったときや洗車時にしっかり排水ができるのです。
しかし、土地の形状によっては十分な水勾配がとれないかもしれません。
そういった土地の場合、現場の職人に判断がゆだねられる部分もあります。
【対処法】部分的に解体して再施工
土間コンクリートに水たまりができた場合、部分的に解体して再施工することを検討しましょう。
対処法としては、以下の2点が考えられます。
- ・コンクリートに穴を開けて水通しする
- ・コンクリートカッターで溝を作って排水する
水たまりから水を逃すところがない場合は、コンクリートに穴を開けて水を地面に吸わせます。
平面に仕上がっていて水勾配が不十分な場合は、施工ミスがなかったか確認してみてください。
何かしらの不備があれば、施工業者に対処を依頼できます。
【予防法】設計図や施工中に勾配があるか確認
施工後すぐの段階から水たまりができる場合は、水勾配が十分ではないと考えられます。
本来であれば、業者が水勾配を設計図に落とし込んでから施工します。
気になる場合は、施工中や施工前に「水勾配はとれていますか?」と確認してみましょう。
ただし、水勾配が十分とれていても、経年劣化でコンクリート表面にくぼみが出てくる可能性はあります。
コンクリートは水分を含みやすいため、あらかじめ土間コンクリートに目地を入れておくのも予防法のひとつです。
目地を入れると排水しやすく、ひび割れの予防にもつながります。
土間コンクリートのよくある失敗例③ 色ムラ・コテ痕
土間コンクリートによくある失敗例の3つ目は、色ムラやコテの痕です。
コンクリートは白っぽく仕上がりますが、部分的に黒っぽくなる色ムラが発生することがあります。
また、コンクリートの表面にコテの痕が残ってしまい、仕上がりがいまいちだと感じることがあるかもしれません。
【原因】乾燥する時間差によって起こりやすい
色ムラはコンクリートが乾燥するときの時間差で起こります。
乾いている部分は白く、湿っている部分は黒っぽくなるため、コンクリート表面に色ムラが発生してしまうのです。
完全に乾いているときは全体が白く美しい状態でも、雨の日や気温が低い日には色ムラが発生しやすくなります。
また、仕上げのタイミングが悪いと、コンクリートにコテの痕が残ってしまうことがあります。
人の手で行う仕上げ作業のため、職人さんの腕に左右されることもあると考えておきましょう。
【対処法】時間が経っても直らない場合は塗料を塗る
色ムラの原因は乾いている部分と湿っている部分が混在していることなので、完全に乾けば改善されるかもしれません。
時間が経っても色ムラが改善されない場合、上からコンクリート用の塗料を塗れば目立たなくなります。
色ムラはコンクリートの強度に影響がなく、完全に防ぐことはできません。
施工会社でも避けられないものとして免責事項になっていることが多いため、確認してみましょう。
【予防法】色ムラ防止のためには天候が悪い日には施工しない
色ムラ防止には、湿っている部分が残らないようにすることが大切です。
コンクリートが水を含みやすい雨の日や寒い日は、色ムラのリスクが上がります。
また暑い日も部分的に乾燥が進んでしまいます。
悪天候の日や真夏・真冬の土間コンクリート施工は避けたほうが無難です。
人の手が関わるコテ痕に関しては、腕の良い職人さんを探すしかありません。
そのほか、表面が毛羽立ったようになる「刷毛引き」で仕上げるのもおすすめです。
コテの痕が残らないため、職人さんの腕に左右されないというメリットがあります。
土間コンクリートの工事で失敗しないための基本的な予防方法2つ
土間コンクリート工事において、ある程度の失敗は避けられないともいえます。
コンクリートの特性上、小さなひびや色ムラなどは完全に防ぐことが難しいからです。
しかし、その中でもすべての失敗リスクを下げられる基本的な予防方法として、以下の2点が挙げられます。
- ① 信頼できる施工業者を選ぶ
- ② JIS規格に適合したコンクリートを使う
①信頼できる施工業者を選ぶ
失敗のリスクを減らすには、土間コンクリートの施工が得意な業者を選ぶことが大切です。
土間コンクリートの施工はハウスメーカーや工務店、ホームセンターなどで請け負っていますが、実際の施工は外構の専門業者が担当するケースが多いのが現状です。
土間コンクリートの施工を豊富に請け負っている外構専門業者を選べば、知識と経験を生かし、美しい仕上がりにできる可能性が高まります。
信頼できる会社か見極めるために、可能なら実際の施工現場を見せてもらいましょう。
直近で手掛けた現場であれば、今の実力がわかります。
あわせて、コンテストの受賞歴なども確認しておきたいところです。また、実際に作業してくれる職人さんとしっかりコミュニケーションをとることも重要です。
②JIS規格に適合したコンクリートを使う
土間コンクリートには、JIS規格に適合したコンクリートを使うことをおすすめします。
品質が安定しているため、大きな失敗を防ぐことができるためです。
ただし、土間コンクリートを自作する場合は、JIS規格に適合したコンクリートを入手しにくいでしょう。
このことからも、土間コンクリートのDIYはおすすめできません。
土間コンクリートが失敗した?と思ったらクレームを入れるべきか
土間コンクリートの細かなクラックや色ムラは、業者の腕が良くても完全に0にすることはできないためある程度は許容するしかありません。
そうはいっても、どうしても仕上がりに満足できないこともあるでしょう。
仕上がりに満足できなかったり強度が心配だったりする場合は、施工業者に問い合わせてみてください。
作業し直すことは難しくても、表面だけのクラックや色ムラ、コテ痕の補修は対応してもらえるケースがあります。
どれだけ経験豊富な業者でも、天候を完璧に予測することは難しいでしょう。
予期せぬ天候崩れや気温変化が失敗につながることもあります。
クレームまではいかなくても、どうにかならないか相談してみることが重要です。
駐車場の土間コンクリートにかかる費用を安くする3つの方法
土間コンクリートの施工には、1台分の駐車場で15〜30万円ほど必要です。
2台分となれば35〜45万ほどと、それなりの金額になります。
できる限り費用を抑えたいのは当然ですが、ただやみくもに費用を削ればいいわけではありません。
土間コンクリートの失敗を防ぎつつ、費用を少しでも安くしたいときの方法を紹介します。
① 土間コンクリートの舗装面積を少なくする
土間コンクリートの舗装面積を減らせば、そのぶんのコストを下げられます。
たとえば、タイヤが乗り上げる部分のみをコンクリートにして、他は人工芝にするといった施工です。
ただし、部分的な舗装だと段差ができるため、日常的に使いづらくなることが想定されます。
部分舗装にしたものの、ベビーカーが通りづらい、子どもがつまずいて危ないなどの理由で、再度リフォームを依頼されるケースも少なくありません。
また、部分舗装だと枠を組む手間が発生するため、思ったよりも安くならない可能性もあります。
見積の段階では実際にどれくらい費用が違うのか比較してみて決めるのも手です。
もし費用を少しでも浮かせたいのであれ全面・部分で比較してみましょう。
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② 仕上げを刷毛引きや金ゴテにする
土間コンクリートにはさまざまな仕上げ方法があります。
そのなかでも「金ゴテ仕上げ」「刷毛引き仕上げ」なら、比較的費用を抑えられます。
金ゴテ仕上げは、コンクリートの表面をコテで滑らかにする仕上げ方法です。
滑らかな表面は汚れにくく掃除がしやすいといったメリットがあります。
その一方で、雨が降ると滑りやすい点はデメリットだといえるでしょう。
色ムラ予防として紹介した刷毛引き仕上げは、コテ痕が目立たず滑りにくいのがメリットです。
ただし、表面の溝にゴミがたまりやすいため、掃除には少々手間がかかります。
③ 土間コンクリートが得意な業者を選ぶ
仕上がりにも費用面でも満足しようと思ったら、土間コンクリートの施工が得意な業者を選ぶことが大切です。
カーポートなどの工業製品を設置するのとは違い、土間コンクリートの施工は職人さんの実力で出来が変わります。
豊富な経験がある会社・職人さんなら、気温・天候によるコンクリートの状態もしっかり把握できているでしょう。
豊富な経験があるからこそ、失敗を防いで美しく仕上げることができるのです。
依頼する業者を選ぶときは、相見積もりをとってしっかり比較検討しましょう。
要望を伝えやすく相談しやすい業者を選ぶことも大切です。
土間コンクリートの失敗に関するよくある質問
土間コンクリート施工を検討する際に、疑問に思うこともあるでしょう。
ここからは、土間コンクリートの失敗に関するよくある質問に回答します。
土間コンクリートをDIYできますか?
結論からいうと、土間コンクリートはDIYに向いていません。
職人の腕によって仕上がりに差が出る難易度の高い施工だからです。
職人でも失敗してしまうことのある打設や技術が必要となる仕上げに加え、当日の天候にも影響を受けてしまいます。
JIS規格に適合した生コンクリートを個人で入手するのが難しいのも、DIYに向かない理由です。
DIYといえどそれなりの費用がかかり、やり直すことができません。
小さい面積ならDIYも可能ですが、駐車場の大きさだと少しずつ施工すると継ぎ目だらけになってしまいます。
そうなると、見た目が悪くなり強度的にも不安が残ります。
駐車場を土間コンクリート以外で舗装すれば費用を安くできますか?
土間コンクリート以外の駐車場の舗装としては、以下の4つが考えられます。
- ・砂利敷き
- ・アスファルト
- ・芝
- ・コンクリート平板
上記いずれも、土間コンクリートよりも費用を抑えられるでしょう。
ただし、砂利敷きや芝はメンテナンス費用と手間がかかります。
砂利は雨で流れることがあり、砂利よりも大きな砕石は水たまりができやすくなります。
天然芝は、水やりや刈り込みといった植物としての管理が必要です。
車で光が届かない場合に枯れてしまうリスクも無視できません。
人工芝ならメンテナンスの手間は軽減できますが、タイヤで傷むためいずれは張り替えが必要になります。
アスファルトの場合、材料費はコンクリートの半分ほどです。
しかし、専門的な機械が必要なため、施工業者によっては外注での対応となります。
その場合、費用は土間コンクリートとさほど変わりません。
コンクリート平板は、形成されたコンクリートを敷き詰める舗装方法です。
つまずきやすいといったデメリットがあり、土間コンクリートより費用は抑えられるものの、大幅に安くなるわけではありません。
駐車場に土間コンクリートを打設後、どのくらいで駐車できますか?
生コンクリートが硬化するには時間が必要です。
生コンクリートを打設し表面をならした段階では、見た目は仕上がっていてもまだ十分な強度はありません。
駐車場に土間コンクリートを打設した場合、夏場なら4日前後、冬場なら7日前後の養生期間が必要です。
養生期間は別に駐車場を用意しなければならない点を頭に入れておきましょう。
土間コンクリートが最大強度となるには打設後28日かかります。
普通車や軽自動車であれば4〜7日ほど経てば駐車できますが、重量のある引っ越しトラックを乗り入れる場合は土間コンクリートの施工タイミングに注意しましょう。
余裕があるのなら、養生期間はできるだけ長めにとることをおすすめします。
土間コンクリートの失敗例を知り、事前に対策を
駐車場の土間コンクリートが失敗してしまうと、見た目的にとても残念な仕上がりとなってしまいます。
失敗を防ぐには、土間コンクリートの施工を得意とする業者を選ぶのが最も効果的です。
コンクリートの特性を理解して失敗を予防できるのは、経験に裏打ちされた職人さんの技術のおかげです。技術力を信頼できる業者を探して、満足のいく駐車場に仕上げましょう。
土間コンクリートの施工を検討されている方は、ぜひ一度相見積もりをとってみてください。
費用の目安が分かれば、より具体的に予算を立てられます。経験のある業者なら、費用を抑える相談にも乗ってくれます。