外構の舗装に使うアスファルト、コンクリートなど舗装材の種類と費用
駐車場や家の周囲の犬走コンクリート、アプローチといった外構の舗装を検討するにあたり、舗装材の種類や費用について知りたいという方も多いのではないでしょうか。
外構工事の舗装材としては、主にアスファルト・コンクリート・砂利などが挙げられます。
1㎡あたりの舗装材別のおおまかな費用はこちらです。
種 類 | 単価/1㎡ |
---|---|
アスファルト | 約5,000円~ |
コンクリート | 約8,000円~ |
砂 利 | 約2,000円~ |
アスファルトは安価ですが、住宅の外構工事で使われるケースは多くありません。
一方、コンクリートはやや高価ですが、耐久性や仕上がりの良さから住宅の外構でもよく使われています。
今回の記事では、各舗装材の特徴やメリット・デメリット、舗装費用を安く抑えるポイントなど解説します。
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アスファルト舗装の3つのメリット
アスファルトには、大きく分けて「天然アスファルト」と「石油アスファルト」の2種類があります。
前者は日本で採掘できないので、一般的にアスファルトというと後者を指します。
目地がなく走行性に優れているので主に道路や店舗の駐車場といった広いスペースで多用されています。
アスファルト舗装におけるメリットは、以下の通りです。
- 価格が安い
- 工期が短い
- 水はけが良い
アスファルトは金銭的・時間的な負担が少なく、排水性にも優れているので、広いスペースとの相性が良いと言えます。
アスファルトのメリット①価格が安い
アスファルトはコンクリートに比べて価格が安いため、初期費用を抑えやすいことがメリットです。
地面を掘削する際の深さの違い、補強材の有無などによって価格差が生じます。
例えば、単価は下記のようになります。
◼︎ コンクリート:約7,000円~(1㎡あたり)
舗装範囲が広くなればなるほど、初期投資の価格差も大きくなるため、このメリットによる恩恵も増大するのです。
コンクリート舗装の価格については、以下の記事でも詳しく解説しています。
見積自体を比較して実際に予算も兼ねて決めるのも手です。
気になる方はアスファルトとコンクリート両方で見積をとってみることをおすすめします。
アスファルトのメリット②工期が短い
アスファルトは冷えると固まる性質を持つので、速乾性に優れています。
なおかつコンクリートに比べると工程も少ないため、工期を短縮できることがメリットです。
アスファルトで舗装した場合、施工から数時間程度でしっかり固まるので、すぐに駐車場として使えるようになります。
アスファルトのメリット③水はけが良い
アスファルトは排水性に優れているため、コンクリートなどに比べて水はけが良いこともメリットです。
水たまりができにくいので、足元が濡れてしまったり、車の走行時に水がはねたりするリスクを抑えられるようになります。
また、アスファルトは目地がなく走行性に優れているため、水はけの良さとの相乗効果により、雨の日でも滑りにくいこともメリットです。
雨天時における安全走行を実現しやすいので、道路や店舗の駐車場に適していると言えるでしょう。
アスファルト舗装の3つのデメリット
一方、アスファルト舗装には以下のようなデメリットもあります。
- 耐久性が低い
- デザイン性に乏しい
- 直射日光で高温になる
外構の舗装を考えているなら、メリットだけではなくデメリットを把握しておくことも大切です。
アスファルトのデメリット①耐久性が低い
アスファルトはコンクリートに比べると柔らかい分、耐久性で劣ることがデメリットです。
経年劣化によってひび割れや変形が発生しやすいため、定期的に補修しなければなりません。
実際に、お問い合わせ頂く方もアスファルトが劣化しているため、コンクリートしたいという方もいます。
将来的にコンクリートにする可能性があれば最初からコンクリートにしておくのがおすすめです。
アスファルトのデメリット②デザイン性に乏しい
アスファルトの場合、見た目は道路と同じような黒くゴツゴツした質感の地面になります。
コンクリートのように色や柄を変えることはできないため、デザイン性があるとは言い難い舗装材です。
特に住宅の前面など目立つ部分の外構は、周りの人々の目に入るポイントなので、見た目があまり良くないアスファルトは選ばれにくい傾向にあります。
アスファルトのデメリット③直射日光で高温になる
アスファルトは直射日光に当たると表面温度が高くなるうえ、熱を溜め込んでしまいます。
日中はアスファルト表面の熱が、夜間は蓄えられた熱が大気を加熱するため、結果的にヒートアイランド現象と同様のことが住宅で起こることもデメリットです。
また、アスファルトは冷えると固まってしまう性質から、ダンプカーを使って150℃超の高温状態で運搬されます。
しかし、一般住宅はダンプカーが入らないうえ、施工にはロードローラーなども必要になるため、外構工事で採用されにくいのです。
コンクリート舗装の3つのメリット
コンクリートとは、石灰や鉱物などから作られるセメントを原料とする舗装材です。
セメントの粉に砕石・砂を混ぜて水で練り上げ、化学反応によって固体化させたものを指します。
見た目の仕上がりが美しいことから、外構向けの舗装材として選ばれています。
一般住宅でも広く使用されているので、外構=コンクリート舗装とイメージする方も多いでしょう。
また、平面的に打設する「土間コンクリート」という名称で呼ばれることもありますが、基本的に違いはないと考えて問題ありません。
コンクリート舗装におけるメリットは、以下の通りです。
- 耐久性が高い
- 高温になりにくい
- 仕上がりが美しい
コンクリートのメリット①耐久性が高い
コンクリートは耐久性が非常に高いうえ、アスファルトより経年劣化が進むスピードも遅いので、頻繁にメンテナンスをする必要がありません。
適切な舗装材と工法を使って施工すれば、半永久的に利用できることがメリットです。
さらに、コンクリート舗装にワイヤーメッシュや鉄筋を施せば、ひび割れを予防できるようになります。
ただでさえ高いコンクリートの耐久性がさらに上昇するので、住宅の安全性向上にも寄与できるでしょう。
コンクリートのメリット②高温になりにくい
コンクリートはアスファルトに比べると熱を吸入しにくく、直射日光が当たっても高温になりにくいという性質を持っています。
日差しが強い夏場でも表面温度はそれほど上昇しないため、子どもやペットが触れて火傷してしまうリスクも低いのです。
また、表面温度が低い分、大気への影響もアスファルトより抑えられるので、暑さを感じにくいでしょう。
コンクリートのメリット③仕上がりが美しい
コンクリートの仕上がりは白に近く明るい印象なので、先述したように見た目が美しくなることもメリットです。
デザインや色合いを問わず、どのような住宅にもマッチしやすいうえ、植栽との相性も良いため、外構向けの舗装材と言えるでしょう。
また、部分的に色や柄がついたコンクリートを使う「インターロッキング」も人気です。
デザイン性が高いだけではなく、水はけや施工性の面でも優れているため、コンクリート舗装を考えているなら要チェックです。
コンクリート舗装のデメリット
コンクリート舗装もメリットだけではなく、以下のようなデメリットがあります。
- 価格が高め
- 工期が長い
どちらも施工可否に大きく影響するデメリットなので、あらかじめ対策を講じるためにも、きちんと押さえておきましょう。
コンクリートのデメリット①価格が高め
コンクリートはアスファルトや砂利より価格が高いので、初期費用の負担が大きくなりやすい傾向にあります。
アスファルト・コンクリート・砂利の1㎡あたりの単価相場は以下のようになります。
種 類 | 単価相場(1㎡あたり) |
---|---|
アスファルト | 4,000~6,000円 |
コンクリート | 7,000~12,000円 |
インターロッキング | 9,000~12,000円 |
砂利(砕石) | 2,000~3,000円 |
このようにコンクリートの単価相場は他より2~4倍ほど高く、インターロッキングだとさらに価格が上がります。
ただし、メンテナンス費用は抑えられるため、長期的に考えるとお得です。
コンクリート舗装の価格については、こちらの記事もお読みください。
コンクリートのデメリット②工期が長い
コンクリートは耐久性やデザイン性に優れていますが、一方でなかなか固まらないという弱点もあります。
そのため、必然的に工期が長くなることもデメリットです。
コンクリートが固まるまでの期間中、車を別の駐車場に止めなければならないため、結果として駐車場代が余計にかかってしまうのです。
外構を舗装するときの注意点
外構の舗装を検討している場合、舗装材の種類に加えて、以下のような注意点を押さえておく必要があります。
- 勾配をつける必要がある
- 地盤改良費用がかかる場合がある
それぞれ概要をまとめたので、何に注意すべきか知っておきましょう。
勾配をつける必要がある
外構舗装における重要ポイントの一つは、雨水が溜まらないような設計にすることです。
見た目のデザインを整えるだけではなく、排水に関する機能もきちんと考慮しなければなりません。
例えば、奥行き5mの駐車場を設ける場合、求められる高低差は10cmです。
また、アプローチに2%の勾配がとれない場合、両側(外側)に水が流れるよう傾斜をつけることで対処できます。
地盤改良費用がかかる場合がある
畑や田んぼとして使われていた土地を舗装する場合、追加で地盤改良費用がかかるケースもあるので、あらかじめ注意しましょう。
前述のような土地は地盤が緩い傾向にあるため、そのまま舗装するとひび割れや地盤沈下が起こりかねないからです。
地盤改良を行う場合、セメントで固めて地盤を補強したうえで、舗装工事をスタートします。
工程が増える分、工期も長くなる可能性が高いので、事前にスケジュールを確認・調整しましょう。
外構の舗装費用を安く抑えるポイント
外構の舗装費用をできるだけ安く抑えるためには、以下の3つのポイントを実践することが大切です。
- コンクリート以外の素材で舗装する
- 部分的に舗装する
- 相見積もりをとる
費用が安くなる理由や注意点をそれぞれまとめました。
コンクリート以外の素材で舗装する
コンクリートは住宅の外構舗装に適していますが、どうしても価格は高くなります。
舗装費用を抑えたいなら、砂利や人工芝などコンクリート以外の舗装材を使うのも一案です。
例えば、砂利は1㎡あたり約2,000円~とかなり安価なので、手軽に利用できるでしょう。
しかし、雨で砂利が流れやすい、雑草が生えやすいといったデメリットもあります。
また、駐車場の舗装に砂利を使う場合、飛び石によって車体に傷がついてしまう可能性もあります。
コンクリート以外の舗装材については、以下の記事もご確認ください。
部分的に舗装する
舗装費用を抑えるための最もシンプルな方法は、コンクリートで舗装する面積を減らすことです。
コンクリートを使う量が減るので、その分だけ費用も安くなります。
例えば、駐車場ならタイヤが乗る部分は頑丈なコンクリートで、それ以外は安価な砂利などで舗装すれば、費用を抑えることができます。
ただし、アスファルトはコンクリートに比べると脆いため、部分的な舗装には向いていません。
また、部分的に舗装すると地面に段差が生じ、ベビーカーや車いすを動かしにくくなったり、躓いて転倒したりするといったリスクもあります。
このようなリスクを避ける目的で、結果的に「全面をリフォームしたい」という問い合わせも多いため、家族構成やライフスタイルなど踏まえて検討しましょう。
全面コンクリートと部分的にコンクリートする場合の見積りも比較してみて決めるのも手です。
相見積もりをとる
外構を舗装する際は、必ず複数の施工会社から見積もりをとりましょう。
一社だけ見積もりをとってそのまま依頼した場合、費用が高いかどうか比較できないため、損をする可能性が高いからです。
また、会社側の他社を意識して価格を下げようとするため、適正価格で依頼しやすいこともポイントです。
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外構舗装についてのよくある質問
外構舗装のよくある質問と回答を紹介します。
駐車場の舗装はDIYできますか?
駐車場の舗装は、DIYするには難易度が高めです。
車という重量物が走行する関係上、駐車場は耐久性を高めることが重要となります。
使用する舗装材や土地の状態によっては、水はけを良くするために勾配をつけたり、地盤改良を行ったりする必要があるため、必要な工程をきちんと踏まなければなりません。
また、コンクリートは施工精度が悪いと、ひび割れなどのトラブルが起こる可能性もあって危険です。
コンクリートは配合にも時間がかかるので、DIYにはおすすめできません。
さらに、駐車場の舗装にあたって、地域の建築協定を確認しなければならないケースがあるので、その辺りも難しいポイントです。
庭に駐車場をつくる費用はどのくらいですか?
庭に駐車場をつくる場合、舗装費用に加えて塀や門などの撤去費用も必要です。
使用する舗装材や駐車場の面積にもよりますが、最低でも10万円以上はかかってきます。
◼︎ 車1台分あたりの駐車場の設置費用
オープンタイプ | 約10〜15万円 |
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カーポート | 約35〜45万円 |
ガレージ | 約100万円~ |
カーポートやガレージは便利ですが、建築に手間がかかる分、費用も高くなります。
駐車場の費用については、以下の記事でも解説しています。
外構の舗装材の種類を知り、納得のいく工事を
住宅の外構で使われる舗装材は、耐久力やデザイン性に優れるコンクリートが圧倒的多数です。
しかし、近年は透水性や脱色技術が進化したこともあり、今まであまり人気がなかったアスファルトも見直されています。
舗装材ごとのメリット・デメリットや単価相場を把握したうえで、複数の施工会社から見積もりをとり、納得のいく外構舗装工事を実現しましょう。
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