玄関ポーチの自転車置き場 3つのポイントと外構駐輪場アイデア
家族が増えると、必然的に自転車の台数も増えていきます。
自転車の置き場所が定まらないと、各自が思い思いのところに置いてしまい、玄関の出入りの邪魔になるかもしれません。
この記事では、自転車置き場に悩む方に向けて、玄関ポーチに自転車置き場を作るときのポイントとその他の駐輪場アイデアを紹介します。
外構に駐輪場を設けるメリットとデメリットもお伝えしますので、玄関ポーチの自転車置き場と比較して検討してみてください。
自宅に自転車置き場がないと困っている人は多い
自転車一台は、比較的どこにでもとめられます。
そのため、注文住宅を建てる段階で自転車置き場について考えておらず、後に困るケースは少なくありません。
建売住宅に自転車置き場がないことも考えられます。
自転車を野ざらしにするのは、雨や紫外線で劣化が早まるためおすすめできません。
また、防犯面にも不安が残ります。
一台なら、駐車場の脇や玄関に置くこともできるでしょう。
しかし、家族それぞれの自転車が必要となり台数が増えると、途端に置き場所に困ってしまいます。
保育園や幼稚園に送迎するための電動自転車、子どもの補助輪付き自転車、三輪車など、これから自転車が増えていく可能性もあります。
この先の家族構成を視野に入れて、あらためて自転車置き場について考えてみましょう。
玄関ポーチに自転車を置きたいときの3つのポイント
玄関ポーチに自転車を置きたいときのポイントは以下の3つです。
- 玄関ポーチを通常よりやや広くとる
- 庇の長さにも留意する
- 階段がある場合はスロープをつける
日常的に使う自転車は、玄関ポーチに置ければ何かと便利です。
それぞれのポイントについて詳しく解説します。
1.玄関ポーチを通常よりやや広くとる
自転車を置くなら、玄関ポーチを通常よりやや広めにするのがポイントです。
自転車一台だけなら脇にさっととめられても、複数台だとそうはいきません。
家族それぞれが自転車を使い始めると、玄関ポーチではスペースが足りなくなってしまうでしょう。
また、玄関ポーチは扉の開閉スペースでもあります。
そのため、狭いスペースに無理して自転車を置いていると、扉の開閉や家の出入りを邪魔してしまいます。
自転車が増えることを想定して、玄関ポーチを広めに設計しておくのがおすすめです。
玄関ポーチが広めだと、家族が複数人で外出するときにもポーチ内で傘をさせるため雨の日にぬれないというメリットがあります。自転車の台数が少ない時期でも、子どもをベビーカーに乗せるときは広い玄関ポーチを重宝するでしょう。
2.庇の長さにも留意する
玄関ポーチに自転車を置くなら、庇(ひさし)の長さも重要です。
庇とは玄関や窓の上部につけられる小さな屋根のことで、日差しや雨よけの役割があります。
庇が短いと雨を防げないため、子ども用の自転車は置けても大人の自転車を置けなくなります。
自転車より庇が長くても、十分な長さがないと風が強い日の横殴りの雨を防げません。
庇の長さは地域の天候も考慮して決めましょう。
庇に十分な長さがない場合、外構工事で玄関ポーチに壁を追加するのもひとつの方法です。
庇に加えて壁があれば、風が強い日の雨の吹き込みを防げ、防犯性も高まります。
さらに人感センサーの照明を設置すれば、夜間でも自転車の鍵の開け閉めや荷物の移動がスムーズです。
3.階段がある場合はスロープをつける
玄関に続くポーチは、地面から30〜40cmほどの高さがあります。
そのため、玄関ポーチには階段が設けられていることが一般的です。
しかし、階段のある玄関ポーチに自転車を引き上げるのは簡単ではありません。
特にまだ小さな子どもだと、自力で自転車を持ち上げるのは難しいでしょう。そうなると、結局は玄関ポーチに自転車を置けなくなってしまいます。
玄関ポーチに自転車を置くなら、スロープの設置を検討してみてください。
半分を階段、半分をスロープにするのも良いですね。
スロープがあれば、自転車はもちろんベビーカー、車いすの移動もスムーズです。
階段を上るのに苦労する小さな子どもや高齢の方も、スロープなら負担なく移動できます。
バリアフリーを意識したスロープなら、一緒に手すりを設置するのも一案です。
玄関ポーチでは物足りないときの外構駐輪場アイデア
玄関ポーチでは、自転車置き場として物足りないケースも少なくありません。
これから新築する場合でも、自転車を置ける玄関ポーチの実現が設計上難しいこともあります。
外構に駐輪場を設置する3つのアイデアを紹介しますので、自宅の環境や状況に合わせて検討してみてください。
1.サイクルポートを施工する
ひとつめのアイデアは、サイクルポートの施工です。
サイクルポートは後付けで設置できるため、自転車やバイクの駐輪場に困って導入する人が増えています。
サイクルポートはサイズやタイプがさまざまで、折り畳み式から設置工事が必要なしっかりとしたタイプまで、予算や用途に合わせて選べます。
耐久性の高いサイクルポートは、新築時に導入すれば他の外構と一緒に工事できる点もメリットです。
また、サイクルポートは、玄関アプローチや勝手口、掃き出し窓の屋根としても使えます。
好きな場所に屋根を追加できると考えれば、自転車置き場に加えて物置を設置したり雨にぬれないアプローチを作ったりと、より利便性を高められるでしょう。
2.壁に庇をつける
壁に庇をつけるのもひとつの方法です。
「ここに自転車を置きたい」という場所が決まっているなら、雨にぬれないように庇を追加しましょう。
庇をつける方法のメリットは、壁を利用して好きな場所を自転車置き場にできることです。
玄関横のちょっとしたスペースや塀と家の間など、デッドスペースになりがちな空間を自転車置き場として有効活用できます。
また、壁に取り付ける庇は種類も豊富です。
柱を必要としないためデザインに凝りやすく、おしゃれな庇がたくさんあります。
支柱のデザインやカラーをそろえれば、後付けでも自宅との一体感を持たせられます。
デザイン性にこだわることができるのも、庇をつける方法のメリットです。
3.ミニガレージを設置する
自転車置き場としてミニガレージを設置する方法もあります。
ガレージには屋根と壁で3方向以上が覆われているものや、シャッターや扉がついており、4方向全て覆われているタイプもあります。
自転車全体がしっかりと囲われているため、屋根と柱だけのサイクルポートよりも防犯性が高いのが特徴です。
高価な自転車を所有している場合は、施錠できるミニガレージだとより安心できるでしょう。
また、ガレージなら自転車以外にもさまざまなものを収納できます。
収納場所に困りがちなアウトドア用品の置き場所としてもおすすめです。
自転車関連の工具やヘルメット、雨具などをガレージ一カ所にまとめられるのもメリットだといえるでしょう。
ガレージのサイズによっては、タイヤに空気を入れたり油をさしたりといったメンテナンス作業場としても使えます。
外構に駐輪場を設ける3つのメリット
続いては、外構に駐輪場を設ける3つのメリットをお伝えします。
自転車置き場をどうするかお悩みの方は、メリットを参考にして外構駐輪所を検討してみてください。
メリット①家族分の自転車をとめられる
外構に自転車置き場を設置する最大のメリットは、家族の自転車すべてをとめられることです。
玄関ポーチでは収まりきらない大人の自転車も、置き場所に困りません。
車と違い、自転車は基本的に一人一台です。
自転車一台のときは玄関ポーチにとめることができても、複数台だとそれが難しくなります。
置くことはできても、スムーズに乗り降りできるスペースがないと、日常的に不便さを感じるでしょう。
また、自転車の台数が少なくても、屋根のある場所は何かと便利です。
雨や雪の日の一時避難場所や物置の雨よけとして、自転車を置いていないスペースも有効活用できます。
メリット②雨風をしっかり防げる
自転車置き場には自転車の劣化を防ぐというメリットもあります。
雨によるサビや紫外線によるゴムの劣化を軽減できれば、自転車の寿命を延ばして長く乗り続けられるでしょう。
また、自転車には強い風による転倒リスクもあります。
玄関脇や車の横に自転車をとめていた場合、転倒してフレームがゆがんだり車に傷をつけたりするかもしれません。
風を防げれば、転倒リスクの回避に加え、ほこりや砂の付着も防げます。
鳥のふんといった飛来物から自転車を守れるのも、自転車置き場の大きなメリットです。
メリット③防犯性が高まる
住環境にもよりますが、自転車には盗難のリスクがあります。
道路に面したカーポートや門扉の外に自転車をとめている場合はもちろん、敷地内で盗まれる可能性も無視できません。
盗難被害を防ぐには、自転車置き場の設置が有効です。
自転車置き場の設置に加え、サイクルスタンドを導入したり柱と自転車をチェーンでつないだりすることで、さらに防犯性が高まります。
自転車置き場に人感センサーのライトや防犯カメラを設置するのもおすすめです。
外構に駐輪場を設ける2つのデメリット
外構に駐輪場を設けるメリットだけでなく、デメリットもしっかり押さえておきましょう。
大切なのは、メリットとデメリットを比較してどうするかを考えることです。
それでは、外構に駐輪場を設ける2つのデメリットを紹介します。
デメリット①コストがかかる
自転車置き場を設置する一番のデメリットは、やはり費用面です。
すでにできている玄関ポーチにとめるのとは違い、設備が必要なためどうしてもコストがかかります。
サイクルポートにはさまざまな種類があり、安価なスタンド型や折りたたみ式であれば、1台用なら1万円程度で購入できます。
ただし、折りたたみ式は、日常的にずっと使う自転車置き場には向いていません。
また、面積の小さいサイクルポートだと、強風時に屋根が飛ばされる可能性もあります。
安価なスタンド型よりも、設置工事が必要なしっかりしたサイクルポートのほうがリスクを軽減できるでしょう。
長い目で見れば、外構メーカーのサイクルポートのほうが安心して使えます。
リクシルのネスカRミニ(ラウンドスタイル)というサイクルポートだと7万7000円(施工費を除く)から購入することが可能です。
デメリット②スペースが必要になる
たくさんの自転車をとめようと思うと、その分の広いスペースが必要です。
この先の家族計画を考えながら、どれくらいのスペースが必要なのか検討してみましょう。
後付けのサイクルポートの場合、玄関先や家の側面に十分なスペースをとれるかが重要です。
スペースが足りない場合、自転車置き場を二カ所にしたり広い庭に設置したりといった工夫が必要となるでしょう。
その一方で、壁に庇をつける自転車置き場なら、デッドスペースを有効活用できるケースもあります。
限りあるスペースを効果的に使えるよう、自宅にはどういった自転車置き場が適しているのかを考えてみてください。
玄関ポーチの自転車置き場が足りない場合は外構駐輪場を検討しよう
自転車を玄関ポーチにとめたいと考える方はたくさんいます。
しかし、自転車の台数によっては、扉の開閉や家の出入りの邪魔になってしまうかもしれません。
玄関ポーチの広さと自転車の台数が合わない場合は、外構に駐輪場を設けることも検討してみましょう。
サイクルポートの施工実績を豊富に持つ専門業者なら、コストを抑えて満足のいく自転車置き場を実現できます。
安価なスタンド型やDIYで設置できるサイクルポートもありますが、長い目で見れば専門業者に頼んだほうがコストを抑えられます。
まずは見積もりを取って、耐久性も含めて比較検討してみましょう。
見積もりの段階で、サイクルポートを含めたさまざまな外構工事の相談もできます。