おしゃれな外構フェンスを選ぶ5つのポイント | 主な種類と費用
フェンスは家の見た目に大きく影響しますが、デザインにこだわるとコストが高くなりがちです。
しかし、建物の計画を先に進めていて「外構もおしゃれにしたいけれど、もうあまり予算をかけられない」と思う人も多いのではないでしょうか。
コツを掴めばおしゃれなフェンスを低予算で設置することができます。
具体的にどのような工夫をすればよいのか、詳しく解説していきます。
外構のフェンスがおしゃれだと印象も変わる
家を囲うフェンスには、隣の家との境界を明確にしたり目隠しをしたりといった役割があります。
ブロック塀と比べて風通しがよく開放感があることも、うれしいポイントです。
それと同時に、フェンスは家の見た目を大きく左右するため、機能性だけでなくデザイン性も重視するべきですが、デザインにこだわると予想以上に費用がかかることがあります。
そのため、フェンスを設置する際には費用と見た目のバランスを考えることが重要です。
おしゃれな外構フェンスを選ぶ際の5つのコツ
外構フェンスをおしゃれな仕上がりにするには、無駄なコストをカットすることが重要です。
具体的なコツを5つ解説していきます。
1.目的をはっきりさせる
デザインにこだわりつつコストを抑えてフェンスを設置するには、まずフェンスの目的をはっきりさせることが重要です。
フェンスには以下の役割がありますが、そのうちどれをもっとも重視するのか考えてみましょう。
- 隣の家との境界をわかりやすくする
- 目隠しをしてプライバシーを確保する
- 家の見た目をおしゃれにする
- 防犯性を高める
どの役割を重視するか決めることで、どのような点にどれくらいコストをかければよいのかが明確になります。
たとえば、家との境界線を明確にしたいだけでそれほど目隠し効果は必要ない場合、低めのフェンスにすることでコストカットができるでしょう。
2.表はおしゃれに、裏はシンプルに
フェンスの目的が明確になったら、次はそれぞれの場所ごとに適切なフェンスの種類・デザインを選んでいきましょう。
たとえばデザイン性を優先したい場合でも、前面の目立つ部分はデザインにこだわり、人目につきにくい裏側は安いフェンスにすることでコストを抑えられます。
機能性の面でも、場所によってかけるコストを変えることは重要です。
防犯性を高めたい場合なら、不審者の侵入リスクが高い前面や裏側は高さがあって頑丈なフェンスにしておくべきでしょう。
しかし、隣家と接している部分から不審者が入る可能性は低いため、その部分はもう少し安いフェンスにすることで費用を抑えられます。
フェンスはすべての部分が同じである必要はないので、場所ごとにかけるコストを変えてみましょう。
3.メンテナンス費用がかからない素材を選ぶ
フェンスはあとからメンテナンスが必要になることもあるため、初期費用だけを考えていると将来的に予想以上のコストがかかるおそれがあります。
たとえばウッドフェンスは安価ですが、傷みやすいため数年で見た目が悪くなったり機能性が下がったりする可能性があります。
修理や取替えが必要になり、結果的に多くのコストがかかってしまうこともあるのです。
また、修理や取替えが必要になるほどではなくても、デザインによっては日々の掃除が大変で苦労することもあるでしょう。
掃除が行き届いていないと、せっかくおしゃれなフェンスを付けてもだらしない印象になってしまいます。
フェンスは常に外で使うものなので、どうしても雨風や日光で傷みやすく汚れも付きやすいものです。
のちのメンテナンスのことも考えたフェンスを選びましょう。
4.複数の業者から見積をとる
フェンスの設置は基本的に業者に依頼することになります。
この際、複数の業者から見積を取ることも、コストカットのために重要です。
業者によって、「このメーカーのフェンスなら安く設置できる」「この工事なら得意なので安くできる」といった強みが異なります。
同じようなフェンスでも、依頼する業者によって費用が違うこともめずしくありません。
複数の業者から見積を取り、納得のいく費用で発注できるようにしましょう。
5.フェンスを施主支給する
施主支給とは、フェンスを設置したい人が自分でフェンスを手配することです。
通常、フェンスを設置する際はフェンスの手配と設置の両方を業者に依頼しますが、フェンスを自分で用意して設置のみを業者に頼めば、フェンス手配の手間賃をカットできます。
ただし、施主支給での依頼を受け付けていない業者もあるため、見積をとる際に確認してみましょう。
また、施主支給によって工期が乱れたり、商品が傷ついていた際の責任をどこがとるのかでトラブルになる場合もあるのでリスクが伴います。
外構フェンスの種類別の特徴と費用相場
外構フェンスにはさまざまな種類があります。主な6種類の、フェンス本体の費用相場をまとめると次の通りです。
フェンス | 相場 |
---|---|
スチールフェンス | 5,000〜10,000円 / 1m |
アルミ素材フェンス | 10,000〜60,000円 /1m |
木目調フェンス | 10,000〜30,000円 /1m |
ウッドフェンス | 30,000〜40,000円 /1m |
竹垣フェンス | 15,000〜30,000円 /1m |
鋳物フェンス | 20,000〜30,000円 /1m |
費用だけでなく各フェンスの特徴も踏まえて選ぶことが重要なので、それぞれのフェンスについて詳しく解説していきます。
スチールフェンス
スチールフェンスは、安価で耐久性が高い点が特徴です。
ただし、網のようなデザインなので目隠し機能はありませんし、デザイン面でシンプルで、防犯性もあまり高くはありません。
そのため、フェンスにデザイン性も重視したいという場合は、目立つ部分には別のフェンスを設置し、スチールフェンスは隣の家との境界や家の裏側といった目立たない部分に設置することがおすすめです。
アルミ素材フェンス
アルミフェンスはスチールフェンスに比べるとやや高価ですが、横格子、縦格子、網目などさまざまなデザインを選べます。
目隠し効果を狙うなら横格子や縦格子がおすすめ。とくに横格子なら斜め横から見た時の目線も遮れます。
門扉やカーゲートと合わせると統一感が出るため、安く抑えたいものの安っぽく見えるのも嫌、という場合にもおすすめです。
モダンなデザインも多くデザイン性の幅が広いです。
木目調フェンス
木目調のフェンスは、木の柔らかな風合いが魅力です。
植栽とも相性がよく、縦格子なら和モダンの家にも似合います。
明るめの色を選べば優しく清潔感のある印象になり、ダークな色合いを選べば全体の印象が引き締まるので、家のデザインに合わせて選ぶとよいでしょう。
木目調のフェンスにはラッピングシールと人工木材があります。
ラッピングシールの場合は、外から見える表面のみを木目調にしてコストを抑えることも可能です。
ウッドフェンス
木材でできたウッドフェンスは、本物の木の質感を楽しめる点が魅力です。
初期費用も安く済みますが、本物の木である分、雨風や日光にさらされると傷みやすく、耐久性は低くなります。
イペやウリンといった木材なら耐久性が高いですが、費用が高くなってしまいます。
傷みやすい木材の場合は腐食剤を塗るなどのメンテナンスが必要になるでしょう。
竹垣フェンス
竹垣フェンスは、和風の家にぴったりです。
設置することで見た目が本格的な和風建築に格上げされますし、和風モダンの家にも似合います。
御簾垣や建仁寺垣のようにしっかり視線を遮れるものもあれば、大津垣のように程よい目隠し効果を持つデザインもあります。
金閣寺垣や竜安寺垣のように目隠し効果はないもののデザイン性の高いタイプもあるので、好みや目的に合ったものを選べるでしょう。
メンテナンスが気になる場合は、アルミ製や樹脂製の竹垣風フェンスがおすすめです。
鋳物フェンス
鋳物フェンスは目隠し効果こそないものの、ねじれや曲線といった複雑な装飾を取り入れたデザインが豊富です。
ガーデニングをした庭にもよく似合い、洋風の家に設置すればクラシカルで格調高い見た目になります。
値段は高くなりますが、前面のみに設置して目立たない部分には安価なフェンスを付けることで、コストを抑えられます。
優雅な雰囲気を演出したい場合に検討してみてください。
工事費用の相場は1mあたり約7千~3万円
工事費用の相場は、材料費・工事費込みで幅1mあたり約7,000~30,000万円になるでしょう。
ただし、フェンスの設置場所にすでに基礎となるブロックや土台があるか、フェンス設置後に腐食予防の塗装までしてもらうかなどによって費用は変わってきます。
たとえば基礎がまったくない場所にフェンスを立てるのであれば、コンクリートを流し込んで支柱を立て、そこにモルタルを流し込んで固定させるといった基礎工事が必要です。
ブロックの上にフェンスを立てるのであれば基礎の上にブロックを置き、フェンスの支柱を差す穴をあける「コア抜き工事」が発生するため、もう少し費用がかかることを想定しておきましょう。
外構にフェンスを設置する際のよくある質問
目隠し用のフェンスは後付けもできますか?
目隠し用のフェンスは、後付けも可能です。
住み始めてから目隠しの必要性を感じた場合の新設はもちろん、目隠し効果の薄いフェンスを後から取り換えることも可能です。
目隠し目的でフェンスを設置するなら、フェンスそのもののデザインだけでなく高さにも気を配りましょう。
人の身長より高い180㎝くらいなら安心ですが、高さがある分高価になりやすくなります。
安く抑えたい場合は設置場所を絞ることも検討してみてください。
フェンスはDIYで設置することもできますか?
背の低い簡易的なフェンスなら、DIY経験があれば設置が可能です。
ただし、目隠し用の高さのあるフェンスは低いフェンスよりもしっかり安定させなければならず、大量のセメントを使った設置や隣家のブロックに手を加えての設置は、失敗やトラブルのリスクがあります。
安く済ませるためにDIYを選択したのに、失敗やトラブルで結果的に余計にコストがかかる可能性もあるので、基本的には業者に依頼したほうが安心でしょう。
目隠しフェンスの高さはどれくらい必要ですか?
人の視線を遮る目的であれば地面から180~200㎝くらいの高さが必要です。
しかし、防犯目的なら150㎝程度でも効果があるため、本当に目隠しが目的なのか、防犯が目的なのか、今一度考えて高さを選んでください。
なお、目隠しフェンスの場合は高さだけでなく、縦格子か横格子かによっても効果が変わってきます。
斜め横からの目線を遮りたいのか、斜め上からの目線を遮りたいのかなどによって検討してみましょう。
フェンスの設置工事はどれくらいの日数がかかりますか?
フェンスの設置工事自体にかかる日数は、約2~3日が目安です。
ただし、フェンスのデザインや設置の範囲、基礎工事の有無、天候などによっても工事期間は変わるため、事前に業者に現地調査や見積りの確認を依頼しておきましょう。
また、周辺地域の事情によっては限られた時間帯しか工事ができないこともあります。
こうした場合は1日にできる作業が少なくなるため、工事に時間がかかる可能性があるでしょう。
隣地とのフェンス設置ルールはある?
建物は「隣地境界線から50㎝後退」したところに立てるという民法の規定があり、フェンスなどの外構を作る際は、隣家から1m以上離れるというルールがあります。
民法には、建物を築造するには、境界線から50センチメートル以上の距離を保たなければならないと規定されています(民法第234条第1項)。
ただし、地域によっても異なるので事前に確認しておきましょう。
また、ルールというよりもマナーになりますが、隣家との間にフェンスを設置する場合は、事前に隣人にその旨を伝えておくことも重要です。
フェンスができたことによって隣人が圧迫感を感じたり、隣家の日当たりが変わってしまったりすると、トラブルに発展するおそれがあるためです。
おしゃれなフェンスで満足のいく外構を
フェンスは外構工事の費用の中でも、少なくない部分を占めます。
ただし、フェンスを作る目的を明確にし、さまざまな種類のフェンスを効率的に組み合わせることで、予算を抑えておしゃれに仕上げることも可能です。
業者によって費用が違うこともありますし、メンテナンス費用も考慮しなければならないため、フェンスを設置する際は複数の業者に相談して見積を出してもらいましょう。
コストを抑えるアイディアを教えてもらえることもありますよ。