カーポートを後付けするときは建ぺい率を確認!注意点や費用相場を解説
外構に関する悩みで、「駐車場から玄関まで雨に濡れたくない」「車を汚れや紫外線から守りたい」といった場合は、カーポートを後付けすることで解決が見込めます。
カーポートの後付け設置は、専門的な知識が必要となるため、基本的には業者へ依頼することになります。
この記事では、カーポートを後付けする流れ、費用相場、よくある質問について解説します。
後付けする際の注意点や信頼できる業者に安く依頼する手段についてもまとめているので、ぜひ参考にしてください。
カーポートを後付けするときの6つの注意点
カーポートは敷地内であれば自由に設置できるわけではなく、遵守すべき法律や事前に行うべき申請があります。
ここでは、カーポートを後付けするときの注意点を6つ紹介します。
建ぺい率を確認する必要がある
建ぺい率とは、建築面積の敷地面積に対する割合を示したもので、「建築面積 ÷ 敷地面積 × 100」の計算式で求められます。
建ぺい率は建築基準法53条で規定されており、屋根と柱を有するカーポートでも上限を超えないよう注意する必要があります。
建ぺい率は用途・地域により、30%〜80%の範囲で定められています。
すでに住居の建ぺい率が上限だと、カーポートを後付けすることができません。
ただし、以下の4つの条件に該当すれば、緩和措置を受けることができます。
- 外壁のない部分が4メートル以上連続している
- 柱の間隔が2メートル以上空いている
- 天井の高さが2.1メートル以上ある
- 1階建て(平屋)である
緩和措置については、所在地を管轄する自治体に問い合わせることで、詳細が確認できます。
建築確認申請が必要になる場合がある
建築確認申請とは、建築物が各種法令に適合しているか事前に確認するための手続きです。
カーポートも建築物に含まれるため、建築確認申請が必要になる場合があります。
建築主が自ら申請を行うこともできますが、専門書類の作成・提出が求められるため、業者に依頼するケースが大半です。
建築確認は、下記のの2ステップで建築確認申請が実施されます。
- 着工前の書類確認
- 工事完了後の現地確認
着工前の書類確認をクリアすると「建築確認証」が交付されて、カーポート工事に取りかかることが認められます。
工事完了後の検査が終わると「検査済証」が交付されるので、紛失しないようしっかりと保管しておきましょう。
埋設物の有無を確認する必要がある
敷地内の埋設物としては、水道管・ガス管・浄化槽などがあります。
カーポートを後付けするためには、埋没物を避けて設置しなければなりません。
せっかく柱の位置を決めても、埋設物と干渉することが分かれば設置は不可能です。
それぞれの埋設物から50cm程度の距離があると、安心して柱が建てられます。
カーポートの設置計画を立てるときは、事前に図面で設備配管の位置を確認しておきましょう。
また、駐車場の近くに植木がある場合は、植物の成長も考えてカーポートの位置を決める必要があります。
とくに、高木はカーポートの屋根を越えてしまうことも珍しくありません。
カーポートの後付けでは、実際の施工範囲だけでなく、地中の埋設物の有無や将来的な植木の成長を考えることも大切です。
残土を処分する必要がある
カーポートの後付け工事では、地面に深さ55cm程度の穴を掘って柱を立てて、コンクリートやモルタルを流し込んで固定します。
地面を掘り起こしたことで発生した残土は、適切に処分しなければなりません。
残土を所有地以外に捨てることは、不法投棄に当たる可能性もあります。
カーポートの種類や施工内容によっても変わりますが、柱1本立てるのに、土のう袋3〜5個が目安です。
柱が2本であれば、6〜10個程度となるため、業者に引き取ってもらえるとスムーズです。
他の方法としては、自分で産業廃棄物の処理場に持ち込む、ホームセンターに処分を依頼するなどがあります。
隣家や自宅の外構設備との距離に配慮して設置場所を決める
隣家や自宅の外構設備との距離に配慮することで、トラブルのリスクを軽減できます。
カーポートの後付けは、隣家の敷地境界線ぎりぎりの設置となることも少なくありません。
その場合には、隣家の敷地にカーポートの雨水が流れ込まないよう注意しましょう。
雪の多い地域では、カーポートに積もった雪が隣家に落ちないよう計画しておきます。
注意すべき自宅の外構設備としては、フェンス・ブロック塀などが挙げられます。
柱とフェンス・ブロック塀が近すぎると、落ち葉などのゴミが溜まりやすくなります。
また、雨水がかかる場所は変色・劣化しやすいため、雨どいや屋根の勾配を調整して水の流れをコントロールするのがおすすめです。
乗り降りのしやすさや居住性を損なわないように設置場所を決める
カーポートの位置によっては、運転席・後部座席のドアに接触しやすく、ドアが開けづらくなるケースがあります。
設置場所を決めるときは、乗り降りのしやすさを損なわないことを意識しましょう。
また、居住性を維持することも大切です。
カーポートは存在感があるため、家の印象がガラリと変わってしまうかもしれません。
設置する場所によっては、見通しや日当たりに影響が出ることもあります。
カーポートを後付けする際は、住居の雰囲気に馴染むデザインを選び、できるだけ影響が少ない場所に設置することがポイントです。
【6ステップ】カーポートを後付けする流れ
カーポートには、「左右のどちらかに柱を設置するタイプ」「両側に柱を設置するタイプ」「後方に柱を設置するタイプ」などがあります。
どの種類を選んでも、依頼から完成までの流れは大きく変わらず、以下のような工程で行います。
ステップ1. 業者選び
ステップ2. 打ち合わせ
ステップ3. 見積もり
ステップ4. 契約
ステップ5. 工事
ステップ6. 完成
ここからは、カーポートを後付けする流れを6つのステップごとに見ていきましょう。
ステップ1. 業者選び
はじめに、外構工事業者を選定を行います。
地域で実績のある業者を3〜5社程度探して、施工事例を確認しましょう。
外構業者は、それぞれ得意分野が異なります。
カーポートの施工事例が豊富にあったり、カーポートの後付けの実績がある業者に依頼できると安心です。
気になる業者が決まったら、業者に問い合わせをして打ち合わせの日程を調整します。
ステップ2. 打ち合わせ
打ち合わせでは、カーポートを後付けしたい旨を伝えます。
すでに希望のメーカーやデザインがあれば、業者に伝えることで、打ち合わせがスムーズに進みます。
業者に相談して決めていきたい場合は、「コンパクトでリーズナブルなカーポートを探している」といった要望をできるだけ具体的に考えておきましょう。
複数の業者と打ち合わせを行い、対応を比較することで、信頼できる会社を選びやすくなります。
ステップ3. 見積もり
見積もりは1社だけでなく、2〜3社に依頼します。
相見積もりをとることで、おおよその費用が把握できます。
価格が極端に高い業者、低い業者はトラブルにつながりやすいため避けた方がよいでしょう。
また、正確な工事計画を立てるためには、現場の下見や敷地の図面確認が欠かせません。
下見をしないまま見積もりを提出する業者は、工事完了後に追加費用を請求される可能性もあるため、注意が必要です。
ステップ4. 契約
契約を結ぶ前に、疑問点・不安点はすべて解消しておきましょう。
価格交渉も契約前に終わらせておくことがポイントです。
カーポート費用の内訳は「本体価格」「施工費用」の2つです。
本体価格は車の台数が増えたり、デザイン性や機能性を追及したりするほど高くなります。
価格交渉を行うときは、「値引きしてほしい」と伝えるのではなく、他の業者からの見積もりを提示することで予算内に収めやすくなります。
コストを削減するためには、「使用材料のランクを下げる」「型落ち品に変更する」などの方法もあります。
ステップ5. 工事
カーポート後付け工事にかかる日数は、サイズや施工内容によって5日〜9日程度と幅があります。
実際の工事は1〜2日ですが、コンクリートの養生期間を挟むため、完成までに時間がかかります。
工事はつぎの手順で実施します。
- 基礎工事
- 柱の設置
- 梁や母屋の組み立て
- 屋根パネルの張り付け
基礎工事では、地面に深さ55cm程度の穴を掘ったうえで、地盤を整えていきます。
穴が仕上がったら、底にプレートを置くなどして、水平性を保ちます。コンクリートやモルタルを流し込んで柱を固定して、十分な強度が出るまで時間をおきます。
柱が固定できたら、梁や母屋などを組み立てていき、屋根パネルを張り付けて完成です。
作業中は柱が垂直になっているかを定期的に確認し、必要に応じて調整を加えます。
柱が多いデザインでは、同時にすべての穴にコンクリートを流し込まず、一部を仮建込みにしておくことで傾きを調整しやすくしています。
ステップ6. 完成
工事作業がすべて終わったら、柱の傾きの最終チェックを行います。
垂直であることが確認できたら、仮建込みにしていた柱にコンクリートを流し込んで、雨どいを取り付けて完成です。
完成したカーポートは、どの柱も地面に対して垂直になっているはずです。
冬場や梅雨シーズンは強度が出るまで時間がかかるため、養生の期間が伸びて、完成までの時間が長くなるケースがあります。
カーポートの設置に関する費用相場
カーポートの設置には「本体価格」「施工費用」の2種類があります。
カーポートの本体価格の相場は以下の通りです。
台数 | 本体価格の相場 |
---|---|
1台 | 10万円~25万 |
2台 | 20万円~40万 |
3台 | 40万円~65万 |
4台 | 50万円~100万 |
施工費用の相場は、5万円〜10万円で、台数が多くなるほど高くなります。
残土処分が必要な場合は別途5000円程度かかります。
カーポートを取り扱っているメーカーには、「LIXIL」「三協アルミ」「YKK AP」などがあり、価格・性能・デザインを比較しながら選べます。
LIXIL フーゴ
メーカー | LIXIL |
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製品名 | フーゴ |
金額 | 324,400円~ |
商品紹介 | どんな住宅にも調和する豊富なカラー展開とサイズ設定が魅力 |
三協アルミ ニューマイリッシュ
メーカー | 三協アルミ |
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製品名 | ニューマイリッシュ |
金額 | 307,100円~ |
商品紹介 | 屋根が下がる勾配タイプ、屋根が上がる逆勾配タイプから選択可能 |
YKKAP エフルージュZ FIRST ハイデザイン
メーカー | YKKAP |
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製品名 | エフルージュZ FIRST ハイデザイン |
金額 | 310,300円~ |
商品紹介 | 耐風性能と耐積雪性能に優れたワンランク上の安心感 |
機能性・デザイン性が高いタイプは、本体価格が100万〜300万円以上になることも珍しくありません。
カーポートの後付けに関してよくある質問
カーポートの後付けに関してよくある質問と、それに対する回答を3つ紹介します。
工事に関する知識を身に着けることで、後悔のないカーポートの後付けを実現しましょう。
カーポートを後付けするとき、カーポートの設置とコンクリートの施工はどちらが先?
カーポートを後付けでは、基本的にカーポートを設置してからコンクリートの施工を行います。
地面が土の状態であれば、そのままカーポートの柱を立てて、完成してからコンクリートを敷くことできれいな仕上がりとなります。
すでに地面にコンクリートが施工済みの場合は、柱を設置するために既存のコンクリートを砕いて穴を掘ります。
砕いた部分は元のコンクリートと完全に同じ色にはなりません。
カーポートの柱はどれくらいの深さまで埋め込む?
一般的なカーポートの柱を埋め込む深さは約55cmです。
埋め込みが浅すぎると台風の強風で傾いてしまうといった問題が、埋め込みが深すぎると車の屋根に荷物を乗せたときにぶつかってしまうといった懸念があります。
土地に勾配がある場合でも埋め込みの深さは変えず、地盤が上がった分だけ柱を短くして対応します。
カーポートを後付けしてから建築確認申請をしないとどうなる?
カーポートの建築確認申請をしないと、建築基準法に違反したとして、罰則が適用されるケースがあります。
発覚するケースとしては、「自治体によるパトロール」「近所からの通報」「売却を検討するタイミング」などが挙げられます。
カーポートを設置したことで近隣住民に迷惑がかかった場合は、通報されるリスクはあがります。
違法建築と判断されると住居の売却自体が困難になるかもしれません。
カーポートの後付け設置でお悩みの場合は信頼できる業者に相談しよう
カーポートを後付けするためには、さまざまな専門知識が必要となるため、専門業者に依頼するのが安心です。
カーポートは、デザインの種類も豊富で、性能によって価格も大きく変わります。
後悔しない工事を実施するには、信頼できる業者に相談して、納得のいくまで打ち合わせを重ねることが重要です。
外構・エクステリアパートナーズでは、地元で評判の外構業者から相見積もりをとることができ、比較・検討したうえで選ぶことが可能です。
カーポートの後付け設置でお悩みの場合は、ぜひご利用ください。