カーポートを玄関前につくるのはアリ?ナシ?設置するときの注意点を解説
外構工事のなかでも、スペースを大きくとるカーポート。
車を守る大切なものではあるものの、目立つ存在のためどこに設置するのがいいのか悩まれる方も多くいらっしゃいます。
設置場所の候補として玄関前が1つの候補として検討されてる方が多いでしょう。
玄関前に設置することで目隠しや玄関への近さなど利便性もありますが、同時にデメリットも存在します。
カーポートの位置は一度工事をすると気軽に変更できないため、デメリットを加味して後悔しない位置に設置することが重要です。
そこでこの記事では、カーポートを「玄関前に設置」する場合に知っておきたい注意点を解説します。
カーポートを玄関前に設置するメリット
玄関前にカーポートを設置することで次のようなメリットがあります。
- 雨に濡れずに家に出入りできる
- 玄関周りの目隠しになる
- 玄関前の除雪が楽になる
カーポートの設置場所について悩まれている方は、ご自身の環境に当てはめながら検討してみてください。
1.雨に濡れずに家に出入りできる
カーポートの屋根は車の雨よけ役を担っていますが、人を雨から守ってくれる役割も果たします。
雨が降っているときの買い物では車を使用することも多くあるかと思いますが、荷物で手が塞がっていて傘が持てないような場合もあるでしょう。
そういったとき、カーポートに屋根があれば、降車後濡れずにそのまま玄関までたどり着けるようになります。
また、玄関前のアプローチがコンクリートやタイルなどフラットな素材だと、雨に濡れるとすべりやすくなる場合もあります。
降車後に濡れたくないからと焦って走ると、転倒リスクが発生してしまうことも。
カーポートの屋根がある場合、玄関前が雨でも濡れなくなるため、怪我を未然に防ぐことにもなります。
2.玄関周りの目隠しになる
設置場所によっては、カーポートが玄関周辺の目隠しの役割も果たします。
人通りの多い道路と接している敷地や、住宅が密集しているエリアなど、周囲から車や人の出入りを見られたくない場合、プライバシーを守るために遮蔽物を設置することは効果的です。
一般的なカーポートは柱と屋根だけで構成されているため、周辺環境によっては、目隠しとしては心もとないと感じる場合もあります。
その場合は、庭にガーデンパーテーションを設置したり、2階ベランダからキャンプ用のタープを設置したりと、後付けできる外構アイテムと組み合わせるのもよいでしょう。
また、カーポートだけでなく道路に面する敷地に化粧ブロックや目隠し塀を設置して目隠しをしたい場合、DIYの難易度が高いため、プロの業者に頼むことをおすすめします。
3.玄関前の除雪が楽になる
降雪量の多い北海道や東北などの地域では、外構の計画を立てる際に車や玄関前に降り積もる除雪作業のことも考える必要があります。
そのような地域の場合でも、玄関前に屋根付きのカーポートがあることで除雪作業が楽になります。
しかし、片側だけに柱のあるタイプのカーポートでは、雪の重さに耐えきれず、屋根先が垂れ下がってくることも。
積雪量が多い場合、屋根が破損する可能性も上がりますし、何より車の乗り入れ時に落雪事故に巻き込まれるリスクもあります。
そのため、居住地域の積雪量が多い場合、雪国に対応した左右両側に柱がある両側支持タイプのカーポートを選びましょう。
ものによっては200cmの積雪まで耐えられるカーポートもあります。
すでに片側支持タイプのものを設置しており、差し替えの設置も難しい場合は、柱と反対側に後付け設置可能なサポート柱を設置するとよいでしょう。
カーポートを玄関前に設置するデメリット
玄関前にカーポートを設置することで生じるデメリットもあります。
- 玄関周りの日当たりが悪くなってしまう
- 圧迫感がでてしまう
- 美観が損なわれる場合がある
それぞれ住んでみないとわからないこともありますので、カーポートをまだ導入していない方は想像しながら確認しておきましょう。
1.玄関周りの日当たりが悪くなってしまう
玄関(道路)の方角が南側にあり、カーポートも南側に設置したところ、玄関周りの日当たりが悪くなってしまうという失敗例も。
これは、カーポートにより陽の光が遮られることで、玄関周りに日陰ができてしまうためです。
また、リビングなど採光が欲しい部屋と玄関が面している場合は、住居内への日当たりにも影響します。
そのため、玄関前にカーポートを設置する場合、透過率の高い「ポリカーボネート」を屋根材として選ぶといいでしょう。
ポリカーボネートは太陽光をある程度透過させながら、紫外線はほぼ100%カットする特徴があります。
さらに強度も高く、同厚ガラスの約200倍・アクリルの30倍程度は強いと言われており、屋根材としても採用されることの多い素材です。
2.圧迫感がでてしまう
カーポートは車以上の大きさがあるため、玄関前に設置することで圧迫感が生まれてしまいます。
カーポート内に採光が入らないと玄関前が暗い雰囲気になってしまうため、屋根材に透過率の高い「ポリカーボネート」などの素材を選ぶことで、日中の圧迫感は軽減できるでしょう。
また、雨風や雪などを防げるようにある程度のバランスを見る必要はありますが、柱を高くし、開放感を出すのも効果的です。
玄関からカーポートまでの距離も、1m以上はあけておくことで、出入りの際の印象は変わるでしょう。
しかし、玄関前に遮蔽物となるカーポートがある以上、圧迫感というデメリットを完全に避けることはできないため、ある程度は理解した上で設置する必要があります。
3.美観が損なわれる場合がある
敷地内専有率の高いカーポートは、住宅ともある程度統一性を持たせたデザインにしないと、全体の美観を損ねてしまう可能性があります。
住居外壁や屋根材、敷地のフェンスやブロックなどは、外から見えたときのイメージに大きく影響を与えます。このような要素と、カーポートの素材や色などはある程度デザインを揃えておいた方がいいでしょう。
たとえばカーポートの屋根材にポリカーボネートを選択した場合でも、カラーはいくつか種類がありますので、外壁や屋根の色と近い色に合わせておいたほうがよいです。
支柱についても、色や素材を他の外構材などと揃えたほうが統一感を持たせられます。
玄関前にカーポートを設置した場合は毎日目にすることになるため、デザインにも気を配って設置することをおすすめします。
カーポートを玄関前に設置するときに確認すべき3つのポイント
メリットやデメリットについて紹介しましたが、それらを踏まえてカーポートを玄関前に設置する際に押さえておきたいポイントについて紹介します。
カーポートは一度設置すると差し替えも難しいため、導入前にあらかじめ理解しておきましょう。
1.カーポートの柱を長いものにする
カーポートの柱が短いと、圧迫感が強くなってしまいます。
カーポートに設置する柱の標準的な高さは2mですが、それ以上の長い柱に変更するだけでも印象は大きく変わります。
しかし、高い柱を設置することで雨風や雪などがカーポート内に入りやすくなる点には注意が必要です。
防雨・防風の機能を求めるのであれば、長くても2.5m程度にしておきましょう。
カーポート周辺に背の高い木がある場合や、外壁に囲まれた間取りなどがあるなど、防雨・防風をそこまで優先する必要がないのであれば、2.8m程度の柱を選び圧迫感の軽減を優先してもいいでしょう。
柱を高くする分だけ価格も高くなるため、いくつか種類を揃えて見積もりをとり、予算の範囲で検討してみることをおすすめします。
2.屋根材は光を通す半透明の素材を選ぶ
屋根材が光を通さない素材の場合、玄関前が暗くなってしまいます。
そのため、太陽光がある程度透過するポリカーボネートなどの素材を選ぶことで、陽の光も入り、日中の暗さや圧迫感を軽減させられます。
ポリカーボネートの光線透過率は86%以上と、ガラスとも大差ない数値です。
また、紫外線透過率はほぼ0%程度と言われています。
カラーもブルーやブラウンなどバリエーションがあるため、美観が損なわれない種類を選ぶとよいでしょう。
また、LIXIL社の熱線吸収ポリカーボネート板や、YKKAP社の熱線遮断ポリカーボネート板など、熱線遮断機能を搭載したポリカーボネートも提供されています。
こちらはカーポートへの熱線をカットすることで、車内の温度上昇を軽減する効果が期待できます。予算に余裕がある方は検討してみてもよいでしょう。
3.出入りの邪魔にならないように柱の位置を確認する
前面道路とカーポートの間に支柱がこないよう、カーポートの設置位置には十分注意を払う必要があります。
柱の位置が敷地ギリギリにある場合、右折や左折するとき、バッグで駐車するときなど、出入りの邪魔になってしまうこともあります。
設置する場合は、玄関と敷地どちらからもある程度の距離をとっておいたほうがいいでしょう。
また、柱の位置によっては、車のドアとカーポートの柱がぶつかる可能性もあります。
車の出し入れだけでなく、人の乗降車時にも問題が生じないよう、設置箇所は十分に注意が必要です。
敷地に余裕があれば、カーポートの横幅と柱の位置もギリギリにならないようにしておくとよいでしょう。
ギリギリに設置していることで、カーポートの屋根が敷地からはみ出してしまうと、全面道路を走る車がぶつかってしまう事故の原因にもなりかねないですし、建築基準法違反で撤去命令が出される場合もあります。
また、スペースに限りがあればカーポートの後ろ側から2本の柱で立つスタイルの「後方支持カーポート」も検討してみましょう。
柱が後ろ側にしかないことで両側の柱スペースに余裕ができ、入出庫時もスムーズになります。
カーポートの設置でお悩みの場合は信頼できる業者に相談しよう
カーポートは大切な車を守ってくれる重要なものです。
しかし、注意点を把握せずに設置したことで、失敗してしまう方も多くいらっしゃいます。
そのため、設置前にしっかりとプロの業者に相談したうえで、構成する屋根材や柱の種類なども見積もりに出すことが重要です。
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外構工事で失敗したくない方は、ぜひご覧ください。