庭のウッドデッキの外構アイデア集【タイプや素材の選び方と注意点】
庭に設置するウッドデッキにはさまざまなタイプ・素材があり、どのようなものを選ぶかで使い心地や満足度が変わってきます。
見た目だけでなく、どのような場面で使いたいか、家族構成はどうなっているか、どの程度メンテナンスに手間をかけられるかなども考慮することがポイントです。
そこでこの記事では、ウッドデッキのタイプや素材、導入時にこれだけは押さえておきたいという注意点を解説していきます。
あなたはどのタイプ? 庭のウッドデッキの外構アイデア集
縁側のようにくつろぐミニマムタイプ
縁側のような手すりのないミニマムタイプは、庭を見ながらお茶を飲んだり座ってのんびりくつろいだりするのに適しています。
小ささ・シンプルさゆえに費用や手入れの手間を抑えられるのもポイントです。
できるだけ手間を抑えるという点で言えば、YKKAPの「リウッドデッキ200」も良いでしょう。
リウッドは木粉とプラスチックを原料とした素材です。
水漏れによる反りや腐食が起こりにくいため防腐剤などによるメンテナンスは必要ありません。
シックハウス症候群の原因・ホルムアルデヒドも含まれていないので、小さな子どもにも安心です。
小さな子どもにも安心なフェンス付きタイプ
フェンス付きタイプは、小さな子どもやペットと遊ぶ場合におすすめです。
ウッドデッキをフェンスで囲っているため、子どもやペットが段差に気づかず落ちてしまうことを防げます。
フェンスで目隠しもできるので、周りの目を気にせず家の中にいるような感覚でくつろげるでしょう。
フェンスをつけるとその分費用がかかりますが、三協アルミの「オルネ」は塩ビ素材を使っているため比較的手頃な価格に抑えられるのも魅力。
転落防止に十分な高さのフェンスを付けられるので2階に設置しても安心で、第15回キッズデザイン賞も受賞しています。
スペースがある庭におすすめの段床タイプ
鏡餅のようにデッキが重なって見える段床タイプは、ステージのような、スタイリッシュなデザインが特徴。
段になっている部分はステップとして使えるので、子どもやお年寄り、ペットも無理なくデッキと庭を昇り降りできます。
部分的にウッドデッキに上がるためのステップを設置することもできますが、段床タイプにすればどの部分からでもデッキに上がれるので利便性がより高くなります。
ただしスペースを取るので、庭が広い場合におすすめのタイプです。
アウトドアリビングとして楽しむ庇付きタイプ
庇付きタイプのウッドデッキは、天井があることでリビングとの一体感が感じられます。
アウトドアリビングとして、外の気持ちよさを感じながらもリビングのようなくつろぎを感じられるでしょう。また、庇によって次のようなメリットも得られます。
- 夏でも直射日光に当たらずくつろげる
- 雨の日でもデッキに出たり洗濯物を干したりできる
夏場にデッキでくつろぐ際には、庇とともにLIXILの「デッキDC」も採用するとさらに快適です。
デッキDCは熱をため込みにくく熱伝導率も低いため、素足で歩いても熱さを感じにくいのが特徴です。
ウッドデッキを設置する4つのメリット
ウッドデッキのタイプを見たところで、次はウッドデッキを設置する4つのメリットを見ていきましょう。
求めるメリットによって適したタイプが変わってくることもあります。
1.自然と一体になれる
ウッドデッキは家の中ではなく、庭でもない中間的なスペースです。
家と庭との境界線を緩やかにしてくれるため、家と庭とに一体感が生まれます。
ウッドデッキなら靴を履き替えなくても家の中から地続きで外に出られるため、テレワーク中の休憩時間に風を感じたり、外でコーヒーや食事を楽しんだりしやすくなります。
日常の中で気軽に自然に触れることで、よりリラックスできるようになるでしょう。
2.家にいながらアウトドアライフが楽しめる
ウッドデッキがあれば家にいながらアウトドアライフも楽しめます。
たとえば庭で、家族や友人とキャンプやバーベキュー、ホームパーティーをしたくても、近所の目や衛生面が気になりがちです。
そんなとき、フェンス付きのウッドデッキなら目隠しになりますし、外でありながら床があるので地面の上でキャンプやバーベキューをするよりも気軽です。
もっと簡単に、休日のブランチをウッドデッキで楽しむだけでもアウトドア気分を味わえるでしょう。
3.子どもやペットと遊べる
ウッドデッキは、子どもやペットの遊び場としてもぴったりです。
子どもは外で遊ぶのが大好きですが、公園でずっと見守っているのは大変ですよね。
しかし、ウッドデッキなら家事や仕事で子どもに付き添えない場合でも、リビングから見守りながら安心して外遊びをさせられます。
ペットも室内で遊ぶと汚れや傷がつくおそれがあり、庭だと外へ行ってしまうリスクがありますが、ウッドデッキなら安心です。
4.洗濯物が干せる
ウッドデッキは次の点から、洗濯物を干すのにも適しています。
- 外で日が当たりやすく風通しも良い
- 広さがあるので布団など大きなものも干しやすい
- 庇があれば雨も気にせず干せる
- フェンスがあれば人目も気にならない
ウッドデッキがあることで、洗濯物を干す際にスムーズに内外を行き来することができるので、洗濯物を干すのが楽になります。
ウッドデッキの3つのデメリット
家にいながら外の快適さも感じられるウッドデッキですが、デメリットもあります。
ウッドデッキを設置したものの後悔したということにならないよう、デメリットも見ていきましょう。
1.コストがかかる
ウッドデッキ導入の平均コストは、20万~35万円程度です。
2階部分に取り付けたり、フェンスを設置したり、サイズを大きくしたりするほど多くの費用が必要になります。
しっかりと用途をシミュレーションしたうえでウッドデッキの素材や大きさなどを決めなければ、無駄なコストがかかり後悔することになりかねません。
コストはメーカーや施工業者によっても違うので、複数ヶ所から見積もりを取って比較することが重要です。
2.天然木を選んだ場合はメンテナンスが大変
ウッドデッキは外に設置するものなので、どうしても雨風にさらされます。
天然木のデッキの場合はメンテナンスを怠るとササクレ、トゲができ、最終的には腐ってしまいます。
数年に1度は防腐剤入りの塗料でメンテナンスが必要です。
3.妥協すると使わなくなることがある
ウッドデッキ導入のコストを抑えるためにサイズや素材などを妥協すると、結局使い心地が悪くて使わないということになりかねません。
ウッドデッキに憧れて導入したものの、使わなかったという人は案外多いのです。
使い方やメンテナンスなどもしっかり考慮して、ウッドデッキの満足度に関わる部分はできるだけ妥協しないようにしましょう。
ステップなどのオプションもウッドデッキの使い勝手に大きくかかわります。
どのような点がウッドデッキの満足度に影響しやすいのか、専門業者に相談してみるのもおすすめです。
ウッドデッキの選び方
ウッドデッキの使い心地や満足度を左右する要素の1つが素材です。
後悔しない素材選びのためには、代表的な素材の種類や特徴を知っておく必要があります。
ここでは4種類のウッドデッキの主な素材について紹介します。
ソフトウッド
ソフトウッドとは、サイプレス・ホワイトウッド・マツ・ヒノキなどの針葉樹のことです。
その名の通り柔らかく、次のような特徴があります。
- 加工がしやすい
- 成長の早い品種が多く供給が安定しているため安価な傾向
- 衝撃に弱く水分を吸収しやすい
安価である点はメリットですが、腐りやすくシロアリにも弱いため、防腐塗装などのメンテナンスが必要です。
高価にはなりますが耐久性を高めたサーモウッドや、腐りにくいよう処理されたアコヤなどもあります。
ハードウッド
ハードウッドは、イペ・ウリン・セランガンバツといった広葉樹を指します。
水や虫に強く腐りにくいため、ウッドデッキに向いています。
「防腐」目的であれば、塗装は不要ですが、色が落ちて白銀化するため、美観維持目的の塗装をした方が良いです。もっとも白銀化した方が味が出て好みという方もいらっしゃいます。
一方でハードウッドは高価な傾向にあり、とくにイペやウリンは費用がかかりがちです。単純に初期費用が高価だからと採用を見送るのではなく、質感や経年変化のことも考慮して、他の素材と比較・検討することをおすすめします。
人工木
人工木は、樹脂と木粉で作られた素材です。
害虫や腐食の心配がなく大きなメンテナンスが不要なので、安心して長く使えます。
ささくれもないため、裸足でも歩きやすいのが魅力。
近年では風合いや質の良い人工木も増えており、
メンテナンス性の良さから最も主流の素材と言っていいでしょう。
エクステリアメーカーの開発努力もあり、最近はぱっと見では天然木と見間違うほど質感の良い人工木デッキが増えています。一方で人工木デッキの場合は、熱がこもりやすいのデメリットです。やや値段があがりますが熱くなりにくい人工木デッキもあるので、生活をイメージして商品を選ぶと良いでしょう。
ウッドデッキを選ぶ際の注意点
ウッドデッキを選ぶ際には、次の点に注意しましょう。
- 安全対策をする
- 信頼できる業者を選ぶ
より良いウッドデッキを取り入れるために重要なポイントなので、それぞれについて詳しく解説していきます。
安全対策をする
ウッドデッキを選ぶにあたっては、安全性を優先的に考えることが重要です。
小さな子どもやお年寄りがいる場合はとくに、ステップや手すり、フェンスを付けるなどのオプションも検討してみましょう。
それにより余分に費用がかかったり、見た目の洗練度が落ちたりすることが気になるかもしれませんが、使う人の安全は何よりも大切です。
ケガをしないか気にしながらでは十分にくつろげないですよね。
信頼できる業者を選ぶ
ウッドデッキを導入する際は、信頼できる業者を選びましょう。
ウッドデッキの施工実績が豊富な業者なら、庭の広さや用途に応じた導入方法も相談できますし、自分たちでは思いつかなかったようなアイデアを出してもらえることもあります。
さまざまな業者を比較し選ぶことには手間もかかりますが、ここを怠ると工事が始まってからトラブルが生じたり、ウッドデッキの完成度に満足できなかったりするリスクがあります。
庭のウッドデッキについてのよくある質問
ウッドデッキの目隠しにはどんな方法がありますか?
ウッドデッキの目隠しとしてはフェンスが有効ですが、すだれやシェード、グリーンカーテンなどあとから自分で付けられるものもあります。
ただし、後付けのものはどうしてもウッドデッキのデザインから浮いてしまう可能性もあります。
フェンスも後付け可能ではありますが、可能であればウッドデッキ設置時に合わせてつけることが望ましいと言えます。
周囲からの見え方やウッドデッキの利用場面を想像して検討してみてください。
置くだけウッドデッキってどうなのでしょうか?
置くだけウッドデッキはホームセンターなどで安価に購入できる点がメリットですが、やはり安全性は工事で設置するウッドデッキに劣ります。
重さがあるため風で簡単に飛ぶ可能性は低いですが、できればモルタルで地面に設置するなどひと工夫したほうが安心です。
また、基礎石の上に置くなど木材の腐食対策も行いたいところです。
基礎石もホームセンターで買えるので、ウッドデッキと一緒に購入することを検討してください。
ウッドデッキのある豊かな暮らしを楽しもう
ウッドデッキがあると、外の空気を感じてくつろいだり、家にいながらアウトドア気分を味わえたりと、自宅時間がより豊かなものになります。
ただし、周りからの目が気になったり、腐食して危険な状態になったりするリスクもあるため、しっかりと対策しておくことが重要です。
信頼できる業者に相談・依頼すれば、リスクを抑えて快適なウッドデッキを設置できます。
安全で納得のいくウッドデッキを導入し、暮らしをさらに楽しみましょう。
なんとなくデッキを付けるとデッドスペースになりかねません。
ウッドデッキを付ける場合は、必ず”設置目的”を明確にしておきましょう。外で食事をしたいのか、洗濯物を干したいのか、外に行き来しやすくするだけでいいのか。
目的によってデッキの広さ、フェンスの有無、デッキの素材等が変わってきます。業者は目的に合わせたデッキの提案をすることはできますが、目的を決めるのはお施主様です。デッキを素敵なスペースにするため、イメージを膨らませて使用目的を明確にすることがとても大切です。